業務改善PTの進捗状況
今年の1月に資金分配団体の有志のみなさんとともに立ち上げた「業務改善PT」では、20数名のメンバーが、主要テーマ5つ「制度・評価・資金管理・契約/規程類・活動管理」でチームに分かれて課題の洗い出しと検討の方向性について取りまとめを行い、5月24日の全体会合で共有を行ったことは前回の記事の通りです。
その後、6月後半~9月中旬にかけて、洗い出された課題について、JANPIA事務局にて対応方針案を作成し、その内容についてチームのみなさんと複数回の協議を重ねてきました。そして10月20日(水)に、「2021年度中に対応を進める事項」と「進捗状況」についてまとめた資料を、‘資金分配団体向けの情報発信サイト’にて資金分配団体のみなさんに共有しました。
〈参加13団体(五十音順)〉
公益財団法人 お金をまわそう基金/公益財団法人 佐賀未来創造基金/一般財団法人 社会変革推進財団/公益財団法人 信頼資本財団/公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン/一般財団法人 中部圏地域創造ファンド/公益財団法人 長野県みらい基金/公益社団法人 日本サードセクター経営者協会/公益財団法人 パブリックリソース財団/公益財団法人 東近江三方よし基金/特定非営利活動法人 ひろしまNPOセンター/認定特定非営利活動法人 まちぽっと/READYFOR株式会社
各検討チームでの論議を踏まえて年度内に改善が見込まれる事項
各検討チームでの論議を踏まえて年度内に改善が見込まれる事項(概要)は、以下の通りです。
■活動管理関連検討チーム
- ニュースレターの発信(業務全体のスケジュール等をタイムリーに共有 9月~)
- 助成システムのヘルプデスク運用開始(コールセンター 7月~)
- 資金提供契約書の一部改訂(活動管理に関する事項の修正等 9月完了)
※他の検討チームの課題と関係あり、継続的に改訂を進めます
- わかりやすい情報発信の実施(Twitterの開設 8月~)
- 各種マニュアルのわかりやすさ向上(概要版と詳細版の再構成 9月~ 着手中)
- 資金提供契約の電子契約化、帳票の一元化等(検討開始、次年度運用目指す)
- 団体向けの情報セキュリティ研修等の実施(年内に1回実施で調整中)
■資金管理関連検討チーム
- 説明資料の充実(わかりやすさ志向でリニューアル、説明動画制作9月~着手)
- 報告資料作成、提出の簡素化(10月~事業採択年度毎に新ルールを順次適用)
- 精算様式の簡略化・手引きの改訂(10月~事業採択年度毎に新ルールを順次適用)
- 年度末精算を実効性のある仕組みに変更(10月~順次適用)
- 現金支出の上限の柔軟な取扱い(事前承認特例の活用 9月対応完了)
- その他(自己資金の取り扱い等、継続的に検討中)
■評価運営関連検討チーム
- 評価表を契約書の構成書類から外す(21年度の採択事業より順次適用)
- 評価計画書の内容を事業計画書に統合(21年度採択事業より順次適用)
- 事前評価報告書の提出時期を見直し(数か月後ろ倒し 21年度採択事業より順次)
- 合宿的検討会の実施(21年度採択団体の事前評価から適用する評価実施内容の改訂検討についてPTメンバー×評価専門家他で集中的に意見交換を行う 10月~11月で実施予定)
- 評価関連の学びの場の設定(資金分配団体、実行団体相互間)・動画配信等(7月以降随時実施中)
- 実行団体むけの評価ハンドブックの公開(事前評価・中間評価について8月対応完了)
■契約・規程類の整備関連検討チーム
- 実行団体における適切な資金管理や事業実施体制を実効性のある形で確保しつつ事業を進めていくために必要な事項について以下の通り整理。※これまでは規程類を整備することが必須条件となっていたところを見直します。(21年度採択団体から順次適用)
<考え方>
- 実行団体の規模、体制整備の実状などを踏まえて、事業実施期間 3か年を通じて段階的に取り組み、実効性のある体制確保に努めます。 (運営ルールの明確化、法人形態毎に求められる体制整備について実効性のある形で実施)
- また、事業開始時点での整備の状況も様々であることから、事業実施期間3カ年を通じて目指したいガバナンス・コンプライアンス体制について資金分配団体・実行団体相互で協議をしこれを定めた上で、体制整備を目指します。
■制度関連チーム
- 支援戦略の考え方を整理しPO業務で活用(8月勉強会、10月資金分配団体PO向け研修で展開)
- 自己資金確保に関するセミナーの開催(ノウハウを持つ団体からのノウハウ移転他 年内開催を予定)
- 助成上限額は目安とする扱い(21年度通常枠より目安として明記 対応完了)
※本チームでは、自己資金確保のあり方について(資金分配団体)、同一事業の連続申請可否、地域での案件形成の重要性など、様々な観点で論議が行われました。これらの要素を次年度公募に反映させるべく継続課題として事務局にて検討を進めていきます。
10月20日付けで全資金分配団体向けに共有された詳細資料の一部。大項目は31あります。
休眠預金活用事業は関わる人みんなで一緒に作り上げていく仕組みです
年度内に改善が見込まれる事項は、大きく分けて31項目。これらを年度内に確実に対応完了させて、次年度の事業運営に反映させていくとのことです。
業務改善PTの事務局では引き続き資金分配団体のみなさんをはじめ、この事業に関わる多くのみなさんとの意見交換を進めながら、またご支援・ご協力をいただきながら、『よりよい休眠預金活用事業を一緒に考え作り上げていくために!』をモットーに改善に取り組んでいくとの決意とのこと。
最後に、この業務改善PTに積極的に出席いただいているJANPIA 理事の鵜尾 雅隆さんのコメントをご紹介します。
業務改善PTに出席されている鵜尾理事(zoom)
今回の業務改善PTでは、資金分配団体のPOの皆さんの地域や社会を良くしたい、そのために休眠預金の活用をより改善していこうという情熱をとても感じさせていただきました。そこに一所懸命応えようと一緒に検討を進めるJANPIAのスタッフの姿も印象的でした。
休眠預金活用制度は、活動現場や地域と向き合う資金分配団体や実行団体の皆さんとの「対話と共創」を通じて、進化発展していく仕組みなのだと思います。その観点では、業務改善PTはそのひとつの大切な実践になったと思いますし、これからはご提案内容を確実に実現していくことだと思っています。また、こうした「対話と共創」の機会をこれからも継続的に生み出していくことが大切だと感じています。
業務改善の今後については休眠預金活用事業サイトでも引き続き取り上げてまいります。資金分配団体のみなさんと共に取り組むよりよい休眠預金活用事業を目指した取り組みに、今後も注目していきます。