日本におけるプログラムオフィサーの実態把握調査集計結果報告書
【著者】
日本におけるプログラムオフィサーの実態把握調査研究チーム
清水潤子(武蔵野大学)
菅野拓(大阪公立大学)
中嶋貴子(大阪商業大学)
【要約】(論文より引用)
近年、社会や地域における様々な課題への対応者として民間非営利組織への社会的要請は高まっている。そして、その活動を支えるプログラムオフィサー(以下、PO)に 対する期待も高まり、PO という呼称はだんだんと広がってきている。しかし、本研究のプレ調査として国内各所で実施されたヒアリング調査の結果、POは民間団体等への資金提供を担う人であるという大きな考え方に違いはないが、組織や人によって、その意味するところや役割の認識、実際の活動内容には相当に差異があることが浮き彫りとなった。この結果を踏まえて、日本における PO の人物像や活動に焦点をあて、その実態を把握し、今後の議論のベースを作リ出すことを目的として、本調査を実施した。本調査結果は、本調査に回答いただいたPOの皆様の実態に焦点を当てることで、日本におけるPO像における示唆を得るものである。しかし、そもそもソーシャルセクターにおいて助成実務を行っている団体が一覧化されておらず、助成財団や財団法人以外にも助成を行っている組織も存在する。また、組織によってPOに該当する担当がいる場合もあれば、いないこともあり、多様なPOという母集団を特定することが難しい。そのため、本結果をもって、POという母集団の代表性を説明するものではない。しかしながら、現状、本調査以上の数量調査は見当たらず、POという職務の取り扱いや今後のソーシャルセクターの発展に対して、この結果に基づいた調査分析内容が意味することは少なくないと考え、速報として取りまとめ、公開する。
※JANPIAは本調査への協力を行いました。