健やかに成長してほしい―「子どもの居場所」の運営に込められた思い | 第三者評価関連記事②

健やかに成長してほしい―「子どもの居場所」の運営に込められた思い | 第三者評価関連記事②

学校帰りや週末に地元の子どもたちが三々五々集まり、一緒に食事をしたり、遊んだり、宿題をしたりしながら思い思いに過ごす「子どもの居場所」。地域により活動の内容はさまざまですが、子どもたちが年齢を超えて交流し、大人と触れ合い、さまざまな経験を重ねて健やかに成長してほしいという運営者たちの願いは同じです。2019年度の休眠預金を活用した「こども食堂サポート機能設置事業」(資金分配団体:一般社団法人全国食支援活動協力会)の支援を受け、一般社団法人コミュニティシンクタンク北九州と社会福祉法人那覇市社会福祉協議会が物資の供給や助成金の情報提供、ネットワーク化支援などを行っている居場所の中から9カ所を取り上げ、活動に込められた思いを取材しました。


行政とともに特色あるコミュニティづくりを通じた子どもの見守りを|一般社団法人 コミュニティシンクタンク北九州

製鉄や石炭産業の発展に伴い、戦後いち早く復興事業が進められ、官営八幡製鐵所をはじめ多くの近代化産業遺産を擁する北九州市。都心としてにぎわう小倉北区や、戦前の駐屯地が農地として払い下げられ宅地開発が進められてきた小倉南区、製鉄所の遊休地を生かした再開発が進む八幡東区など、地域によって特色のある街づくりが進められている同市ですが、その一方で、保護者の帰宅が遅い家庭が少なくありません。
そんな北九州市にある「子どもの居場所」は、市が自治会やPTA、警察、消防と連携して設置した「まちづくり協議会」の「市民センター」で活動していたり、フードバンクを行うNPOのサポートを受けながら食事支援や学習支援、生活習慣の習得支援に取り組んでいたり、女性の生理用品を配布していたりと、活動の内容も形態もさまざまです。しかし、どの居場所も、地元の子どもの見守りやコミュニティづくりに熱い思いを寄せる人たちが、「子ども食堂ネットワーク北九州」(一般社団法人コミュニティシンクタンク北九州がコーディネーターを担当)を通じて、北九州市役所や教育委員会を巻き込みながら活動を広げてきました。
2020年3月頃から始まったコロナ禍によって活動の一時中止を余儀なくされながらも、豊富な経験とネットワークを生かし、柔軟に形を変えつつ支援を続けてきた関係者たちの思いに迫りました。

絆キッチン 画像

絆キッチン

コラム | 子ども食堂☆きらきら清水 | ネットワークで地域をつなぐ.pdf[外部リンク]
コラム | こあらのおうち | 若園地区に広がる賛同の輪.pdf[外部リンク]
コラム | 子ども食堂「尾倉っ子ホーム」 | 食卓を囲んで愛情を伝える.pdf[外部リンク]
コラム | 絆キッチン | 支援に依存しない居場所づくりを模索.pdf[外部リンク]

世代を超えた学び合いとコミュニティの新しい見守りの形を模索|社会福祉法人 那覇市社会福祉協議会

沖縄県は、一人親世帯や貧困家庭の割合が全国平均に比べて高い状況にあります。特に、県庁所在地の那覇市は、観光関連のサービス業に従事している人が多いため、親が夜遅くまで帰宅できない家庭も少なくありません。また、核家族化や少子高齢化も急速に進んでおり、大人と交流する機会がほとんどない子どもや、生活に困窮する高齢者が増加しているほか、長期にわたって引きこもる50代前後の子どもの面倒を80代前後の親がみなければならない「8050問題」も深刻化し、社会が直面する問題は年を追うごとに複雑になっています。
こうした状況を受け、那覇市でも多くの「子どもの居場所」が立ち上げられ、ユニークな活動を展開しています。地元で長年にわたり食堂を営んできた母娘や、子育てに悩んだ自分の経験から「家庭でも学校でもない、第三の居場所」をつくることを決意した女性、豊富なネットワークと知見を有する民生委員の経験者たちなど、運営者のバックグラウンドは居場所によって異なります。しかし、どの居場所の活動からも、社会福祉法人那覇市社会福祉協議会が運営する「糸」や「こども食堂サポートセンター那覇」に絶大な信頼を寄せ、密に連絡や相談をしながら取り組んでいる様子が浮かび上がってきます。
近隣の子ども食堂や自治体とも連携し、子どもに限らず保護者や高齢者も広く支援対象に入れ、世代を超えた学び合いの場をつくり、地域を盛り上げるとともに、現代ならではの課題に応えることでコミュニティの新しい見守りの形を実践しようと挑戦を続ける居場所の運営者たちに、それぞれの思いを聞きました。

ワクワクゆんたく食堂 画像

ワクワクゆんたく食堂

コラム | こばんち | 母と子の居場所をつくりたい.pdf[外部リンク]
コラム | にじの森文庫 | 「生きる力を身に付けさせたい」 .pdf[外部リンク]
コラム | ほのぼのカフェ | 子ども食堂から始まるまちづくり.pdf[外部リンク]
コラム | にぬふぁぶし | たどり着いた「食支援ではなく学習支援を」という思い.pdf[外部リンク]
コラム | ワクワクゆんたく食堂 | 団地から広がる見守りの仕組み.pdf[外部リンク]

■ 事業基礎情報【1】

実行団体
一般社団法人 コミュニティシンクタンク北九州
事業名⼦ども食堂ネットワーク北九州機能強化事業
活動対象地域
福岡県北九州市
採択事業2019年度通常枠

■ 事業基礎情報【2】

実行団体
社会福祉法人 那覇市社会福祉協議会
事業名こども食堂等支援事業〈2019年度通常枠〉
活動対象地域
沖縄県那覇市
資金分配団体
一般社団法人 全国食支援活動協力会
採択事業2019年度通常枠


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